派遣先管理台帳の整備

 

  派遣労働者を受け入れる場合、派遣先は派遣先管理台帳を作成し、派遣労働者ごとに記載した事項を3年間保存しなければなりません。(法第42条)
 また、派遣先管理台帳に記載した事項を1箇月に1回以上一定の期日を定め(+請求があったとき)、派遣労働者ごとに書面、FAX 又は電子メール等により派遣元事業主に通知しなければなりません。
 派遣先管理台帳を所定の方法により作成、記載、保存、通知しなかったとき、派遣先は30 万円以下の罰金に処せられる場合があります。(法第61条第3号)

派遣先管理台帳に記載する事項

  派遣先管理台帳には次の事項を記載しなければなりません(法第42条、則36条)。

派遣就業をした日ごとの始業・終業時刻、休憩時間

  ⑧は、実際の始業・終業時刻、休憩時間の実績を記載します。

従事した業務の種類

 ⑨は、従事した業務の内容について、可能な限り詳細に記載してください。
 特に、令第4条第1項各号に掲げる業務について日雇派遣をするときは、その「号」番号とともに記載します。

  1. 電子計算機を使用することにより機能するシステムの設計若しくは保守又はプログラムの設計、作成若しくは保守の業務
  2. 機械等(機械、装置、器具)又は機械等により構成される設備の設計又は製図の業務
  3. 事務用機器(電子計算機、タイプライター、これらに準ずる事務用機器)の操作の業務
  4. 通訳、翻訳、速記の業務
  5. 法人の代表者その他の事業運営上の重要な決定を行い、又はその決定に参画する管理的地位にある者の秘書の業務
  6. 文書・磁気テープ等のファイリングに係る分類の作成、高度の専門的な知識・技術・経験を必要とするファイリングの業務
  7. 新商品の開発・販売計画の作成等に必要な基礎資料を得るためにする市場等に関する調査、当該調査の結果の整理・分析の業務
  8. 貸借対照表、損益計算書等の財務に関する書類の作成その他財務の処理の業務
  9. 外国貿易その他の対外取引に関する文書又は商品の売買その他の国内取引に係る契約書、船荷証券、複合運送証券若しくはこれらに準ずる国内取引に関する文書の作成(一定の通関書類の作成を除く)の業務
  10. 電子計算機、自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術・経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介・説明の業務
  11. 旅程管理業務等(旅行者に同行して行う旅程管理業務、企画旅行以外の旅行の旅行者に同行して行う旅程管理業務に相当する業務)、旅程管理業務等に付随して行う旅行者の便宜となるサービスの提供の業務(一定の業務を除く)、車両の停車場・船舶や航空機の発着場に設けられた旅客の乗降や待合いの用に供する建築物内において行う旅行者に対する送迎サービスの提供の業務
  12. 建築物や博覧会場における来訪者の受付・案内の業務
  13. 科学に関する研究業務
    科学に関する知識や科学を応用した技術を用いて製造する新製品、科学に関する知識や科学を応用した技術を用いて製造する製品の新たな製造方法の開発の業務
  14. 企業等がその事業を実施するために必要な体制やその運営方法の整備に関する調査・企画・立案の業務(一定の業務を除く)
  15. 書籍、雑誌その他の文章、写真、図表等により構成される作品の制作における編集の業務
  16. 商品若しくはその包装のデザイン、商品の陳列又は商品若しくは企業等の広告のために使用することを目的として作成するデザインの考案、設計又は表現の業務(一定の業務を除く)
  17. 事務用機器の操作方法、電子計算機を使用することにより機能するシステムの使用方法やプログラムの使用方法を習得させるための教授・指導の業務
  18. 顧客の要求に応じて設計を行う機械等、機械等により構成される設備・プログラム、顧客に対して専門的知識に基づく助言を行うことが必要である金融商品に係る当該顧客に対して行う説明・相談、
    売買契約(これに類する契約で金融商品の販売に係るものを含む)についての申込み、申込みの受付・締結、売買契約の申込み・締結の勧誘の業務
  19. 保健師助産師看護師法第五条に規定する業務(一定の場所において行われるものを除く)

派遣労働者が従事する業務に伴う責任の程度

 ⑩は、派遣労働者が従事する業務に伴って行使するものとして付与されている権限の範囲・程度などをいいます。
 チームリーダー、副リーダー等の役職を有する派遣労働者であればその具体的な役職を、役職を有さない派遣労働者であればその旨を記載することで足りますが、派遣労働者の適正な雇用管理を行うため、より具体的に記載することが望まれます。

派遣労働者から申出を受けた苦情の処理に関する事項

 ⑫は、苦情の申し出を受けた年月日、苦情の内容及び苦情の処理状況について、苦情の申し出を受け、苦情の処理に当たった都度記載するとともに、その内容を派遣元事業主に通知してください。

 なお、派遣労働者から苦情の申出を受けたことを理由として、その派遣労働者に対して不利益な取扱いをしてはいけません
 苦情の処理に関する事項を労働者ごとに管理している趣旨は、派遣先が労働者の過去の苦情に応じた的確な対応を行うためとされています。

紹介予定派遣に係る派遣労働者については、当該紹介予定派遣に関する事項

 ⑬は、以下の事項を記載します。

  • 紹介予定派遣である旨
  • 派遣労働者を特定することを目的とする行為を行った場合は、その行為の内容
  • 複数人から派遣労働者の特定を行った場合にはその特定の基準
  • 採否結果
  • 職業紹介を受けることを希望しなかった場合や職業紹介を受けた者を雇用しなかった場合には、その理由

教育訓練を行った日時及び内容

 ⑭は、業務の遂行の過程内における実務を通じた実践的な技能及びこれに関する知識の習得に係る教育訓練(OJT)であって計画的に行われるもの及び業務の遂行の過程外において行われる教育訓練(off-JT)をいいます。

派遣可能期間の制限を受けない業務について行う労働者派遣に関する事項

 ⑯は、以下の事項を記載します。

  • 60 歳以上の者か否か(法第40 条の2①二)
  • 有期プロジェクトの業務について労働者派遣を行うときは、該当する業務である旨(法第40 条の2①三イ)
  • 日数限定業務について労働者派遣(法第40 条の2①三ロ)を行うときは、①該当する旨、②その派遣先において、該当する業務が1箇月間に行われる日数、③その派遣先の通常の労働者の1箇月間の所定労働日数
  • 育児休業等の代替要員としての業務について労働者派遣を行うときは、派遣先において休業する労働者の氏名・業務やその休業の開始・終了予定の日(法第40 条の2①四)
  • 介護休業等の代替要員としての業務について労働者派遣を行うときは、派遣先において休業する労働者の氏名・業務やその休業の開始・終了予定の日(法第40 条の2①五)

派遣労働者に係る社会保険・雇用保険の被保険者資格取得届の提出の有無

 ⑰は、「無」の場合はその具体的な理由を付記し、手続終了後は「有」に書き換えてください。

 なお、派遣元事業主は、当該派遣労働者について被保険者資格の取得届の提出がなされていない場合には、その「具体的な」理由を派遣先に通知しなければならないこととされています。
 例えば「雇用契約の期間が6週間であり、引き続き雇用されることが見込まれないため」「現在、必要書類の準備中であり、今月の○日には届出予定」など、適用基準を満たしていない具体的理由や手続の具体的状況が明らかとなるようなものでなければならないこととされています。

派遣先管理台帳の記載例

 以上を踏まえた派遣先管理台帳の記載例は以下のようになります。

【出典】厚生労働省HP「労働者派遣事業を適正に実施するために -許可・更新等手続マニュアル-

罰則

 派遣先が、法令の定めによる派遣先管理台帳を所定の方法により作成、記載、保存、派遣元への通知をしなかった場合、罰則が設けられています。

労働者派遣法

第61条 次の各号のいずれかに該当する者は、30万円以下の罰金に処する。
一~二 (略)
三 第34条、第35条の2、第35条の3、第36条、第37条、第41条又は第42条の規定に違反した者
四~六 (略)

第62条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、第58条から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。