原則禁止の日雇い派遣 Q&A

 日雇労働者の派遣は原則として禁止となっています。ただし、職種や属性などに例外が設けられています。

日雇派遣の概要

 なぜ日雇派遣が禁止されているのですか

 日雇派遣(日雇労働者についての労働者派遣)は、必要な雇用管理がなされず、労働者保護が果たされないなどの課題が指摘されています。
 そのため、原則として日雇派遣は禁止されていますが、以下に該当する場合は例外的に日雇派遣を行うことができます。(労働者派遣法第35条の4①)

  • 適正な雇用管理に支障を及ぼすおそれがないとされる業務について労働者派遣をする場合
  • 雇用の機会の確保が特に困難とされる労働者の雇用の継続等を図るために必要であるとされる場合など

 日雇派遣とはどのような派遣労働者のことですか

 日雇派遣とは、「日々雇用する労働者」や「30日以内の期間を定めて雇用する労働者」をいいます。
 つまり、労働契約の期間が31日以上であれば、労働者派遣契約の期間が30日以内であったとしても、日雇派遣の禁止に違反するものではありません。
 ただし、例えば、

  • 労働者派遣の期間が1日しかないにもかかわらず31日以上の労働契約を締結する場合
  • 労働契約の初日と最終日しか労働者派遣の予定がないにもかかわらず、その期間を通じて労働契約を締結する場合

など、社会通念上明らかに適当とはいえない労働契約については、日雇派遣の禁止の適用を免れることを目的とした行為になると考えられます。

適正な雇用管理に支障を及ぼすおそれがないとされる業務

 日雇派遣の原則禁止の例外とされるのは、どのような業務ですか

 労働者派遣令第4条第1項の各号に掲げられている業務が該当します。これらの業務であれば、日雇派遣労働者を受け入れることができます。

  1. 情報処理システム開発関係
    電子計算機を使用することにより機能するシステムの設計、保守の業務
    プログラムの設計、作成、保守の業務
  2. 機械設計関係
    機械等(機械、装置、器具)や機械等により構成される設備の設計・製図の業務
  3. 機器操作関係
    事務用機器(電子計算機、タイプライター、これらに準ずる事務用機器)の操作の業務
  4. 通訳、翻訳、速記関係
  5. 秘書関係
    法人の代表者その他の事業運営上の重要な決定を行い、またはその決定に参画する管理的地位にある者の秘書の業務
  6. ファイリング関係
    文書、磁気テープ等のファイリング(能率的な事務処理を図るために総合的かつ系統的な分類に従ってする文書、磁気テープ等の整理・保管)に係る分類の作成業務
    高度の専門的な知識・技術・経験を必要とするファイリングの業務
  7. 調査関係
    新商品の開発、販売計画の作成等に必要な基礎資料を得るためにする市場等に関する調査業務
    その調査の結果の整理・分析の業務
  8. 財務関係
    貸借対照表、損益計算書等の財務に関する書類の作成その他財務の処理の業務
  9. 貿易関係
    外国貿易その他の対外取引に関する文書の作成の業務
    商品の売買その他の国内取引に係る契約書、貨物引換証、船荷証券、これらに準ずる国内取引に関する文書の作成の業務
  10. デモンストレーション関係
    電子計算機、自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識、技術、経験を必要とする機械の性能、操作方法等に関する紹介や説明の業務
  11. 添乗関係
    旅程管理業務等(旅行者に同行して行う旅程管理業務や、企画旅行以外の旅行の旅行者に同行して行う旅程管理業務に相当する業務)、旅程管理業務等に付随して行う旅行者の便宜となるサービスの提供の業務
    車両の停車場や船舶・航空機の発着場に設けられた旅客の乗降、待合いの用に供する建築物内において行う旅行者に対する送迎サービスの提供の業務
  12. 受付・案内関係
    建築物・博覧会場における来訪者の受付・案内の業務
  13. 研究開発関係
    科学に関する研究
    科学に関する知識や科学を応用した技術を用いて製造する新製品の開発の業務
    科学に関する知識や科学を応用した技術を用いて製造する製品の新たな製造方法の開発の業務
  14. 事業の実施体制の企画、立案関係
    企業等がその事業を実施するために必要な体制やその運営方法の整備に関する調査・企画・立案の業務
  15. 書籍等の制作・編集関係
    書籍、雑誌その他の文章、写真、図表等により構成される作品の制作における編集の業務
  16. 広告デザイン関係
    商品やその包装のデザイン、商品の陳列、商品や企業等の広告のために使用することを目的として作成するデザインの考案・設計・表現の業務
  17. OAインストラクション関係
    事務用機器の操作方法、電子計算機を使用することにより機能するシステムの使用方法や、プログラムの使用方法を習得させるための教授・指導の業務
  18. セールスエンジニアの営業、金融商品の営業関係
    顧客の要求に応じて設計を行う機械等や、機械等により構成される設備・プログラム又は
    顧客に対して専門的知識に基づく助言を行うことが必要である金融商品
    に係る当該顧客に対して行う説明・相談、売買契約についての申込み、申込みの受付や締結、売買契約の申込みや締結の勧誘の業務
  19. 看護業務関係
    病院等、助産所、介護老人保健施設、介護医療院、医療を受ける者の居宅において行われるものを除いた、療養上の世話や診療の補助の業務

雇用の機会の確保が特に困難であるとされる労働者等

 「雇用の機会の確保が特に困難である」とは、どのような労働者のことですか

 「雇用の機会の確保が特に困難である労働者」とは、労働者派遣の対象となる日雇労働者が次のいずれかに該当する場合をいいます。(労働者派遣令第4条②、則第28条の2、則第28条の3)
 これらの属性の人であれば、日雇派遣労働者を受け入れることができます。

  • 労働者派遣の対象となる日雇労働者が60歳以上である場合
  • 労働者派遣の対象となる日雇労働者が学生や生徒である場合
    ただし、「昼間学生」ではなく、定時制(夜間学部)、通信制、就職内定者、社会人大学生、休学中などの学生や生徒については、日雇派遣をすることができません。
  • 副業として日雇派遣に従事させる場合において、労働者派遣の対象となる日雇労働者の生業収入の額が500万円以上である場合
    なお、「生業収入」とは、主たる業務の収入のことをいい、例えば、労働者派遣の対象となる日雇労働者が複数の業務を兼務している場合には、その収入額が最も高い業務が主たる業務となります。
    また、使用者から労働の対価として支払われるものに限られるものではなく、例えば、不動産の運用収入やトレーディング収入(株式売買、投資信託、外国為替、先物取引などによる収入)なども「生業収入」に含まれます。
  • 労働者派遣の対象となる日雇労働者が主として生計を一にする配偶者やその他の親族の収入により生計を維持している場合であって、世帯収入が500万円以上である場合
    なお、「主として生計を一にする配偶者やその他の親族の収入により生計を維持している」とは、世帯全体の収入に占める労働者派遣の対象となる日雇労働者の収入の割合が50%未満であることをいいます。配偶者には、事実上婚姻関係にある場合も含みます。
    また、「生計を一にする」か否かの判断は、実態として、労働者派遣の対象となる日雇労働者が配偶者・その他親族の収入により生計を維持しているかどうかにより確認するものとし、必ずしも配偶者・その他親族と同居している必要はありません。よって、例えば、両親の収入により生計を維持している子供が単身で生活をしている場合であっても、世帯収入が500万円以上であれば対象となります。
    「世帯収入」には、労働者派遣の対象となる日雇労働者の収入も含まれます。また、「収入」とは、使用者から労働の対価として支払われるものに限られるものではなく、例えば、不動産の運用収入やトレーディング収入(株式売買、投資信託、外国為替、先物取引などによる収入)なども含まれることは本人の収入要件と同じ考え方になります。