個人士業事務所の追加で 法定16→17業種へ(R4.10.1~)

 現在、国会で審議されている年金関連法の改正案では「多様な就労を年金制度に反映する被用者保険の適用拡大」も柱の一つとなっています。要するに厚生年金の被保険者を増やそう、ということです。

 このうち、短時間労働者もどんどん被保険者にしていこう、という流れは今に始まった話ではないのですが、もう一つの「常時5人以上の者を使用する個人士業事務所」の強制適用化の話は個人的にちょっと気になります。

被用者保険の適用を拡大するために

 現行制度で被用者保険の強制適用事業所となるのは以下の場合です。

  1. 法人事業所:業種や従業員規模にかかわらずすべて
  2. 個人事業所:法定された16の業種に該当し、常時5人以上の従業員を使用している場合


 個人であっても常時5人以上使用する場合に強制適用事業となる法定16業種とは以下の通りです。

法改正により 法定17業種へ

 今まで、社会保険労務士を含む法務業は法定16業種に入ってはいませんでしたが、改正後の2022(令和4)年10月1日以降は追加により法定17業種となる予定です。

 ただ、法人の社長とは違い、個人の事業所がいくら強制適用事業になったからといっても事業主本人は適用事業所に「使用される者」となりませんから、残念ながら厚生年金や健康保険の被保険者になれません。

 従業員を4人以下にキープするのか、法人化するのか、個人で士業を営んでいる人にとっては悩ましい選択となりそうです。