「とりあえず遺言書」作成のススメ(自筆証書遺言)
ここでは、最も手軽に書ける遺言書である「自筆証書遺言」の書き方を解説します。
とりあえず「遺言書」を作成しよう
とりあえず、でも構いません。遺言書は書いてありますか。
あなたの年齢は関係ありません。若い方であっても、いつ、不慮の事故に巻き込まれるかもしれません。その時に「紙1枚」が「有るとき」と「無いとき」では大違いなのです。
遺言書を書くことを難しく考える必要はありません。遺言書は、書かれている日付の最も新しいものが有効になります。ですから、とりあえず1回目を書いてしまうことをオススメします。
3分で書ける遺言書

「とりあえず遺言書」の注意点は3つ。
- 原則として全文を自筆で書く
- 作成年月日を自筆で書く(最後に書かれた遺言書を判定するため)
- 署名押印がされている(実印でなくても認印でOK)
このように手書きで書く遺言書を「自筆証書遺言」といいます。
財産の細かい分け方は2回目以降の遺言書に回しましょう。そのために「すべての財産」と書いておきます。これで財産の特定ができます。
また、名前だけだと同姓同名の人もいます。そのため「長男の~」とすることで相続財産を受ける人物が特定されることになります。
遺言書の存在は家族に伝えておく
そして、大事なこと。
法律上は封筒に入れてなくても、住所が書いてなくても遺言書として有効です。しかし、万が一の時に、その「紙1枚」を誰にも見つけてもらえないと、遺言書が本当に「紙1枚」になってしまいます。
遺言書は、万が一の時に見つけてもらえる場所に置いておく必要があります。
「争続」を発生させないために
もう一つ大事なこと。
「すべての財産」を特定の人に相続させるとする遺言書は法律上有効です。他の相続人が納得すればまったく問題にはなりません。
ただし、他の相続人が納得しなかった場合はちょっとややこしい話になります。
法定相続人には本来もらえるはずであった財産の2分の1(遺留分)を侵害されたとして請求する権利が民法で認められています。この対策を怠ると泥沼の「争続」が発生してしまいます。
1回目の「とりあえず遺言書」を書いたら、2回目の遺言書作成に向けて、「争続」が発生するリスクを極力減らすべく対策を考えていきましょう。