Q&A 老齢給付金を年金として受給するときの税金

老齢給付金を年金として受給した場合の税金はどのように計算されますか

 確定拠出年金法に基づいて企業型年金規約又は個人型年金規約により老齢給付金として支給される年金は所得税法上「公的年金等」とされ、雑所得として国民年金や厚生年金の受給額と合算して課税対象となります。(所得税法第35条③、所得税法施行令第82の2条)

確定拠出年金を年金として受給する場合、「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」を提出する必要があるのですか

 国内において公的年金等の支払を受ける居住者は、「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」(以下「扶養親族等申告書」)を提出することにより源泉徴収税額が算出されます。
 しかし、確定拠出年金法に基づいて老齢給付金として支給される年金の受給者は扶養親族等申告書を提出することができません。(所得税法第203条の6①)

 扶養親族等申告書の提出がない場合の源泉徴収税額の計算は、「源泉徴収税額=(公的年金等の支給金額-控除額)×10.21%」で計算されます。

 ここで、控除額=公的年金等の支給金額×25%なので、
源泉徴収税額=(公的年金等の支給金額×75%)×10.21%=公的年金等の支給金額×7.6575% となります。(所得税法第203条の3七)

確定拠出年金を年金形式で受給する場合のデメリットはありますか

 年金形式で確定拠出年金を受給する場合には以下のデメリットが考えられます。

  1. 税金と社会保険料の負担
    年金形式で受け取る場合、受け取る金額は雑所得として扱われます。受給している公的年金(国民年金や厚生年金)や他の所得と合算されて総合課税されるため、一時金として受給する場合と比べて所得税や住民税の総額が増える可能性があります。
    また、所得が増えることで社会保険料も高くなることがあります。
  2. 医療費の自己負担割合の増加
    所得が増えることで、医療費の自己負担割合が上がる可能性があります。
  3. DC口座維持のための手数料の発生
    企業型DC、個人型年金(iDeCo)のいずれであっても、年金として受給中には残余財産について運用指図者になるため、確定拠出年金口座を維持していくために一定の手数料が発生します。
  4. 振込に必要な手数料
    給付金が振り込まれる際には、一般的に給付事務手数料として所定の金額が控除されます。年金として受給する場合は振り込まれる回数が多いことから、給付事務手数料の総額も多くなります。

非居住者として老齢給付金を年金として受給する場合は どのように税金の計算をするのですか

 国内源泉所得に限らず給付金全額が源泉徴収の対象となり、国内法の規定に従って源泉徴収が行われます。
 居住国と日本との間において租税条約が締結されており、かつ、退職年金条項がある場合には、「租税条約に関する届出書」等を提出することにより、日本では所得税が免除されます。