Q&A 企業型DCにおける給付の通則

自己破産した場合、積み上げた個人別管理資産はどうなるのですか

 原則として確定拠出年金の給付を受ける権利は、他人に譲り渡したり、担保に供したり、または差し押さえることができません。(確定拠出年金法第32条①)
 つまり、仮に自己破産をした場合でも個人別管理資産は守られるということです。
 ただし、例外として「老齢給付金」と「死亡一時金」を受ける権利は、国税滞納処分(その例による処分を含む)により差し押さえられることがあります。(確定拠出年金法第32条①但し書き)
 これらは国民年金(国民年金法第24条や厚生年金(厚生年金保険法第41条①)と同じ考え方に基づきます。

 なお、「国税滞納処分(その例による処分を含む)」とは、「国税徴収法に規定する滞納処分の例」(地方税法第48条①、第68条⑥など)、「国税滞納処分の例」(行政代執行法第6条①)、「国税徴収の例」(厚生年金保険法第89条等)、「地方税の滞納処分の例」(地方自治法第231条の3③)などにより行う滞納処分をいいます。(国税庁・法令解釈通達「徴収法に規定する滞納処分の例による滞納処分」)

企業型DCについて受給の請求はどこへ行うのですか

 企業型DCの受給権者は、企業型記録関連運営管理機関(レコードキーパー)に請求を行ないます。
 記録関連運営管理機関とは、確定拠出年金制度において以下の業務を行う機関です。(確定拠出年金法第2条⑦一)

  • 加入者や運用指図者の氏名、住所、個人別管理資産額その他の加入者等に関する事項の記録、保存及び通知
  • 加入者等が行った運用の指図の取りまとめ
  • 運用の指図の内容を資産管理機関(信託銀行など)や国民年金基金連合会への通知
  • 給付を受ける権利の裁定

 なお、登録されている記録関連運営管理機関は以下の4社となります。

  • 日本インベスター・ソリューション・アンド・テクノロジー(JIS&T)
  • 損保ジャパンDC証券
  • 日本レコード・キーピング・ネットワーク(NRK)
  • SBIベネフィット・システムズ

給付について個人型年金(iDeCo)と企業型DCとでは異なるところがありますか

 給付(老齢給付金、障害給付金、死亡一時金)については、確定拠出年金法上、企業型年金の章(第33条~第42条)で規定されていますが、個人型年金(iDeCo)については「企業型年金の規定を準用する」としており、原則として同じ給付内容となります。(確定拠出年金法第73条、確定拠出年金法施行令第37条)