ハラスメント対応や不利益取扱いの禁止などは、派遣先も「派遣労働者を雇用する事業主」とみなされる

 男女雇用機会均等法、育児介護休業法、労働施策総合推進法のうち、以下の規定は、派遣元事業主とともに派遣先も「派遣労働者を雇用する事業主」とみなされます。(労働者派遣法第47条の2、第47条の3、第47条の4)
 なお、以下の法文は労働者派遣法による読み替え後(赤字部分)のものに置き換えています。

雇用管理上の措置、事業主の責務

男女雇用機会均等法 第11条

職場における性的な言動に起因する問題に関する雇用管理上の措置等

1 事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上及び指揮命令上必要な措置を講じなければならない。

男女雇用機会均等法 第11条の2

職場における性的な言動に起因する問題に関する事業主の責務

2 事業主は、性的言動問題に対するその雇用する労働者の関心と理解を深めるとともに、当該労働者が他の労働者に対する言動に必要な注意を払うよう、研修の実施その他の必要な配慮をするほか、国の講ずる前項の措置に協力するように努めなければならない。

男女雇用機会均等法 第11条の3

職場における妊娠、出産等に関する言動に起因する問題に関する雇用管理上の措置等

1 事業主は、職場において行われるその雇用する女性労働者に対する当該女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、労働基準法第65条第1項の規定による休業を請求し、又は同項若しくは同条第2項の規定による休業をしたことその他の妊娠又は出産に関する事由であつて厚生労働省令で定めるものに関する言動により当該女性労働者の就業環境が害されることのないよう、当該女性労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上及び指揮命令上必要な措置を講じなければならない。

男女雇用機会均等法 第11条の4

職場における妊娠、出産等に関する言動に起因する問題に関する事業主の責務

2 事業主は、妊娠・出産等関係言動問題に対するその雇用する労働者の関心と理解を深めるとともに、当該労働者が他の労働者に対する言動に必要な注意を払うよう、研修の実施その他の必要な配慮をするほか、国の講ずる前項の措置に協力するように努めなければならない。

育児・介護休業法 第25条

職場における育児休業等に関する言動に起因する問題に関する雇用管理上の措置等

1 事業主は、職場において行われるその雇用する労働者に対する育児休業、介護休業その他の子の養育又は家族の介護に関する厚生労働省令で定める制度又は措置の利用に関する言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上及び指揮命令上必要な措置を講じなければならない。

育児・介護休業法 第25条の2

職場における育児休業等に関する言動に起因する問題に関する事業主の責務

2 事業主は、育児休業等関係言動問題に対するその雇用する労働者の関心と理解を深めるとともに、当該労働者が他の労働者に対する言動に必要な注意を払うよう、研修の実施その他の必要な配慮をするほか、国の講ずる前項の措置に協力するように努めなければならない。

労働施策総合推進法 第30条の2

雇用管理上の措置等

1 事業主は、職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であつて、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上及び指揮命令上必要な措置を講じなければならない。

労働施策総合推進法 第30条の3

事業主の責務

2 事業主は、優越的言動問題に対するその雇用する労働者の関心と理解を深めるとともに、当該労働者が他の労働者に対する言動に必要な注意を払うよう、研修の実施その他の必要な配慮をするほか、国の講ずる前項の措置に協力するように努めなければならない。

解雇など不利益取扱いの禁止

男女雇用機会均等法 第9条

婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等

3 事業主は、その雇用する女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、労働基準法第65条第1項の規定による休業を請求し、又は同項若しくは同条第2項の規定による休業をしたことその他の妊娠又は出産に関する事由であつて厚生労働省令で定めるものを理由として、当該女性労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

育児・介護休業法 第10条

不利益取扱いの禁止

 事業主は、労働者が育児休業申出等(育児休業申出及び出生時育児休業申出をいう。以下同じ。)をし、若しくは育児休業をしたこと又は第9条の5第2項の規定による申出若しくは同条第4項の同意をしなかったことその他の同条第2項から第5項までの規定に関する事由であって厚生労働省令で定めるものを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

育児・介護休業法 第16条

不利益取扱いの禁止

 事業主は、労働者が介護休業申出をし、又は介護休業をしたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

育児・介護休業法 第16条の4

準用(子の看護休暇の申出)

 第16条の規定は、第16条の2第1項の規定による申出及び子の看護休暇について準用する。

育児・介護休業法 第16条の7

準用(介護休暇の申出)

 第16条の規定は、第16条の5第1項の規定による申出及び介護休暇について準用する。

育児・介護休業法 第16条の10

所定外労働の制限

 事業主は、労働者が第16条の8第1項(前条第1項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による請求をし、又は第16条の8第1項の規定により当該事業主が当該請求をした労働者について所定労働時間を超えて労働させてはならない場合に当該労働者が所定労働時間を超えて労働しなかったことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

育児・介護休業法 第18条の2

時間外労働の制限

 事業主は、労働者が第17条第1項(前条第1項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による請求をし、又は第17条第1項の規定により当該事業主が当該請求をした労働者について制限時間を超えて労働時間を延長してはならない場合に当該労働者が制限時間を超えて労働しなかったことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

育児・介護休業法 第20条の2

(深夜業の制限)

 事業主は、労働者が第19条第1項(前条第1項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による請求をし、又は第19条第1項の規定により当該事業主が当該請求をした労働者について深夜において労働させてはならない場合に当該労働者が深夜において労働しなかったことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

育児・介護休業法 第21条

妊娠又は出産等についての申出があった場合における措置等

2 事業主は、労働者が前項の規定による申出をしたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

育児・介護休業法 第23条の2

(所定労働時間の短縮措置等)

 事業主は、労働者が前条の規定による申出をし、又は同条の規定により当該労働者に措置が講じられたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

育児・介護休業法 第25条

職場における育児休業等に関する言動に起因する問題に関する雇用管理上の措置等

2 事業主は、労働者が前項の相談を行ったこと又は事業主による当該相談への対応に協力した際に事実を述べたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

妊娠中及び出産後の健康管理に関する措置

男女雇用機会均等法 第12条

 事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、その雇用する女性労働者が母子保健法の規定による保健指導又は健康診査を受けるために必要な時間を確保することができるようにしなければならない。

男女雇用機会均等法 第13条

1 事業主は、その雇用する女性労働者が前条の保健指導又は健康診査に基づく指導事項を守ることができるようにするため、勤務時間の変更、勤務の軽減等必要な措置を講じなければならない。